管理栄養士として働いていると、「仕事がきつい」「このまま今の職場で働き続けていいのかな」「もう辞めたい」と感じることもあるのではないでしょうか。
管理栄養士の仕事は、栄養管理や栄養指導だけでなく、献立作成・発注・調理・衛生管理など、職場によってさまざまです。人手不足の職場では、管理栄養士業務に加えて厨房業務を担当することもあります。
ただし、「管理栄養士を辞めたい」と感じていても、管理栄養士そのものを辞めたいのか、今の職場を辞めたいのかによって、これからの選択肢は変わります。
今の仕事がつらいからといって、すぐに管理栄養士という仕事自体を諦める必要はありません。職場を変えることで、仕事内容や勤務時間、休日、給料などの悩みが改善する場合もあります。
この記事では、管理栄養士を辞めたいと感じる主な理由、辞める前に考えておきたいこと、転職を考えるときのポイントや転職先の選び方について解説します。
管理栄養士を辞めたいと感じる主な理由
管理栄養士を辞めたいと感じる理由は、人によってさまざまです。
給料や休日などの待遇だけでなく、厨房業務の多さや人間関係、思っていた仕事内容との違いなどが原因になることもあります。
まずは、どのような理由で「辞めたい」と感じているのか整理してみましょう。
給料が低いと感じる
管理栄養士として働いていても、仕事内容や責任の重さに対して給料が低いと感じることがあります。
特に、栄養管理や献立作成だけでなく、調理や発注、衛生管理など幅広い業務を担当している場合、「仕事量に給料が見合っていない」と感じることもあるでしょう。
給料に不満がある場合は、管理栄養士そのものを辞める前に、ほかの職場の給与水準や求人条件を確認してみることも大切です。
管理栄養士の給料が低いと感じる理由や年収を上げる方法については、「管理栄養士の給料が低い理由は?年収を上げる方法とおすすめの転職先を解説」で詳しく解説しています。
厨房業務や調理の負担が大きい
職場によっては、管理栄養士でも厨房に入り、調理・盛り付け・洗浄などを担当することがあります。
人手が不足している職場では厨房業務の割合が増え、「栄養管理や栄養指導をしたかったのに、調理業務が中心になっている」と悩むこともあります。
厨房業務の負担が原因で辞めたい場合は、厨房業務が比較的少ない職場を探すのも選択肢のひとつです。
厨房業務の負担を減らしたい方は、「管理栄養士で厨房業務が少ない職場は?おすすめの転職先と探し方を解説」も参考にしてください。
人間関係に悩んでいる
管理栄養士は、調理スタッフやほかの管理栄養士・栄養士だけでなく、職場によっては医師・看護師・介護職・保育士など、さまざまな職種と連携して働きます。
そのため、仕事内容そのものには不満がなくても、職場の人間関係が原因で仕事を続けることがつらくなる場合があります。
人間関係は職場によって大きく異なるため、「今の職場が合わない」ことと「管理栄養士の仕事が合わない」ことは分けて考えることも大切です。
人間関係がつらくて辞めたいと感じている人は、管理栄養士が人間関係で辞めたいときの考え方も参考にしてみてください。
休みが取りにくい・残業が多い
病院や高齢者施設、給食を提供する職場などでは、勤務先によってシフト制や土日・祝日の勤務がある場合があります。
また、人員体制や仕事内容によっては、残業が発生したり希望する日に休みにくかったりすることもあります。
休日や勤務時間を重視したい場合は、転職するときに年間休日・勤務時間・残業時間・休日の取り方などを確認することが大切です。
土日休みを重視して転職先を探したい方は、「管理栄養士で土日休みの職場は?おすすめの転職先と探し方を解説」も参考にしてください。
思っていた仕事内容と違う
「栄養指導をしたかったのに厨房業務が中心だった」「食育に携わりたかったけれど事務作業が多かった」など、入職前に想像していた仕事と実際の仕事内容に違いを感じることもあります。
管理栄養士は、勤務する職場によって仕事内容が大きく異なります。
自分がやりたい仕事が明確になっている場合は、職場ごとの仕事内容を比較してから転職先を選ぶことで、入職後のミスマッチを減らしやすくなります。
管理栄養士の仕事がつらいと感じる理由については、「管理栄養士の仕事がきつい理由7つ|辞めたいときの対処法とおすすめの転職先を解説」でも詳しく紹介しています。
管理栄養士を辞めたいときに考えたいこと
「もう管理栄養士を辞めたい」と思ったときは、すぐに退職を決めるのではなく、まず何がつらいのかを整理することが大切です。
悩みの原因によっては、管理栄養士そのものを辞めなくても、職場や働き方を変えることで解決できる場合があります。
管理栄養士を辞めたいのか今の職場を辞めたいのか考える
まず考えたいのが、「管理栄養士という仕事を辞めたい」のか「今働いている職場を辞めたい」のかということです。
たとえば、栄養管理や食育など管理栄養士の仕事自体は好きでも、給料や人間関係、勤務時間、厨房業務の多さなどに悩んでいる場合があります。
この場合は、管理栄養士を辞めるのではなく、自分に合った職場へ転職することで働きやすくなる可能性があります。
私自身、調剤薬局では管理栄養士として採用され、栄養相談も経験しました。ただ、主な業務は処方箋入力などの事務で、管理栄養士としてもっと経験を積みたいと考えて高齢者施設へ転職しました。
高齢者施設では大量調理などを学べた一方、シフト勤務や厨房業務による体力的な負担も感じました。その後、仕事内容に加えて働き方も考え、現在の保育園へ転職しています。
私の場合は、管理栄養士の仕事そのものを辞めたいのではなく、自分が希望する仕事内容や働き方に合う職場を探したかったのだと思います。
辞めたい理由を書き出してみる
「なんとなく仕事に行きたくない」「もう続けたくない」と感じているときは、辞めたい理由を一度書き出してみるのもおすすめです。
たとえば、
- 給料が低い
- 厨房業務が多い
- 人間関係が合わない
- 土日休みがほしい
- 残業を減らしたい
- 栄養指導や食育など、やりたい仕事ができない
など、具体的に整理してみましょう。
理由がわかると、次の職場を探すときに「絶対に変えたい条件」と「妥協できる条件」も考えやすくなります。
今の職場で改善できることがないか考える
悩みの内容によっては、退職しなくても改善できる場合があります。
たとえば、業務量や勤務時間について相談できる環境であれば、上司などに相談することで働き方を調整できることもあります。
一方で、相談しても改善が難しい場合や、自分が希望する仕事内容・働き方と職場の方針が大きく異なる場合は、転職を検討するのも選択肢のひとつです。
次の職場に求める条件を決める
転職を考える場合は、今の職場への不満だけでなく、「次はどんな働き方をしたいのか」まで考えておきましょう。
「土日休みを優先したい」「厨房業務を減らしたい」「年収を上げたい」「栄養指導に携わりたい」など、自分が重視する条件を決めます。
すべての希望を満たす求人を探すのは難しい場合もあるため、条件に優先順位をつけておくと求人を比較しやすくなります。
管理栄養士を辞めたい人におすすめの転職先
今の職場を辞めたいと感じていても、管理栄養士の資格やこれまでの経験を活かせる職場はほかにもあります。
大切なのは、「どの職場がおすすめか」だけで決めるのではなく、今の職場で何に悩んでいるのかに合わせて転職先を考えることです。
土日休みを重視するなら行政や企業などを検討する
「シフト勤務がつらい」「家族や友人と休みを合わせたい」という場合は、土日休みの求人を中心に探してみましょう。
行政や企業などでは平日勤務の求人もあります。また、保育園や特定保健指導などでも、勤務先や雇用形態によって土日休みの求人があります。
ただし、同じ職種でも休日は勤務先によって異なるため、求人票で年間休日や勤務日を確認することが大切です。
厨房業務を減らしたいなら栄養指導や相談業務が中心の職場を検討する
調理や洗浄などの厨房業務が負担になっている場合は、栄養指導や相談業務の割合が高い求人を探す方法があります。
病院の栄養管理・栄養指導業務や特定保健指導、行政など、管理栄養士の専門知識を活かせる仕事もあります。
ただし、病院などでも厨房業務を担当する場合があるため、求人票だけで判断せず、実際の業務内容や厨房に入る頻度まで確認すると安心です。
給料を上げたいなら職場だけでなく求人条件を比較する
給料への不満が大きい場合は、「病院だから」「企業だから」と職場の種類だけで判断せず、複数の求人を比較してみましょう。
給与は勤務先や地域、経験、役職、雇用形態などによって異なります。
基本給だけでなく、賞与・各種手当・年間休日・福利厚生なども含めて比較し、希望する働き方に合っているか確認することが大切です。
子どもの食に関わりたいなら保育園
子どもの食育や給食に興味がある場合は、保育園も選択肢のひとつです。
献立作成や調理、衛生管理、アレルギー対応、食育などに携わる求人があります。
ただし、仕事内容や管理栄養士・栄養士の配置状況は施設によって異なるため、応募前に確認しましょう。
さまざまな現場を経験したいなら委託給食会社
給食管理や大量調理の経験を積みたい場合は、委託給食会社も選択肢になります。
病院や高齢者施設、学校など、配属先によってさまざまな給食現場を経験できる場合があります。
一方で、勤務時間や仕事内容は配属先によって異なるため、応募するときは配属予定の施設や仕事内容、勤務条件まで確認することが大切です。
管理栄養士を辞めて別の仕事に転職するのも選択肢
今の職場を変えても、管理栄養士として働き続けたいと思えない場合もあるでしょう。そのときは、資格を直接使わない仕事への転職も選択肢のひとつです。
管理栄養士として培った経験の中には、別の仕事でも活かせるものがあります。これまで担当した業務を振り返りながら、自分に合う働き方を考えてみましょう。
管理栄養士の経験を活かせる仕事を考える
管理栄養士として働く中では、栄養や食に関する知識だけでなく、さまざまな経験を身につけています。
たとえば、栄養相談で身につけたコミュニケーション力、献立作成や発注で身につけた計画性、厨房業務で身につけたチームで働く力などは、ほかの仕事でも活かせる可能性があります。
転職先を考えるときは、「管理栄養士として何をしてきたか」だけでなく、「仕事を通してどのようなスキルを身につけたか」も整理してみましょう。
食や健康に関わる仕事へ転職する
管理栄養士として勤務しなくても、これまでの知識を活かして食や健康に関わる仕事を選ぶ方法もあります。
食品関連企業や健康に関わるサービスなど、管理栄養士としての知識や経験が役立つ可能性のある仕事もあります。
ただし、仕事内容や必要な経験は求人によって異なるため、「資格があるから採用されやすい」と考えるのではなく、求人ごとの応募条件を確認することが大切です。
食や栄養とは異なる仕事へ転職する
管理栄養士とはまったく異なる職種へ転職することもできます。
その場合は、これまでの経験をそのまま職種名に当てはめるのではなく、ほかの仕事でも活かせるスキルに言い換えて伝えることがポイントです。
たとえば、利用者や患者への対応経験、パソコンを使った資料作成、スタッフとの連携、スケジュール管理など、自分が経験してきた業務を一度整理してみましょう。
管理栄養士を辞める前に転職活動で確認したいこと
今の職場を辞めたいと思っていても、次の職場を十分に確認せずに転職すると、同じ悩みを繰り返してしまう可能性があります。
転職活動では、今の職場で不満に感じていることを整理したうえで、次の職場の仕事内容や勤務条件を確認することが大切です。
退職する前に求人を見てみる
まだ転職すると決めていなくても、どのような求人があるのか確認してみることはできます。
求人を見ることで、給料や休日、仕事内容などを今の職場と比較でき、「転職したほうが希望する働き方に近づけそうか」を考える材料になります。
転職を迷っている段階でも、まずは求人を見て選択肢を知っておくとよいでしょう。
転職する時期に迷っている方は、「管理栄養士が転職するタイミングはいつ?辞める前に確認したいこと」も参考にしてください。
求人票だけでなく実際の仕事内容も確認する
同じ「管理栄養士募集」という求人でも、職場によって仕事内容は大きく異なります。
栄養管理や栄養指導が中心なのか、厨房業務がどのくらいあるのか、ほかに管理栄養士や栄養士がいるのかなど、気になる点は応募や面接の段階で確認しておきましょう。
仕事内容を具体的に確認しておくことで、転職後の「思っていた仕事と違った」というミスマッチを減らしやすくなります。
求人票で確認したい項目や応募前のチェックポイントは、管理栄養士の求人の探し方と求人票の見方で詳しく紹介しています。
複数の求人を比較する
気になる求人を見つけても、すぐに1つに決めず、複数の求人を比較してみましょう。
給料だけでなく、年間休日・勤務時間・仕事内容・福利厚生・通勤時間などを比べることで、自分に合った職場を判断しやすくなります。
管理栄養士向けの転職サイトや転職エージェントを利用して、求人の選択肢を広げる方法もあります。
管理栄養士向けの転職サイト・転職エージェントについては、こちらの記事で比較しています。
まとめ|管理栄養士を辞めたいときは理由を整理してから次の働き方を考えよう
管理栄養士を辞めたいと感じたときは、まず「管理栄養士そのものを辞めたいのか」「今の職場を辞めたいのか」を整理してみましょう。
給料や休日、厨房業務、人間関係などが原因であれば、職場を変えることで悩みを解決できる可能性があります。
一方で、管理栄養士以外の仕事に興味がある場合は、これまで身につけた経験やスキルを活かして別の仕事へ転職することも選択肢のひとつです。
今の職場への不満だけで転職先を決めるのではなく、これからどのような仕事内容・働き方を希望するのかを整理して、複数の求人を比較することが大切です。

